とある昼下がりサイド君が何やら困った様子です。
実は,最近引っ越ししたんだけど,前の大家さんともめていて………。
壁紙がアイボリーというか白っぽいものだったんだけど,2年間住んでいるうちに段々色があせてきたんだ。そうしたら,大家さんが,全部張り替えろと言うんだ。張り替えなきゃいけないのかな?
実はご相談があって……。最近引っ越したんですけど,前の大家さんとトラブルになっているんです。壁紙がアイボリーというか白っぽいものだったんですけど,2年間住んでいるうちに段々色あせてきたんです。それで大家さんから全部張り替えろと言われているんですが,結構な金額かかるんです。
原状回復義務の範囲については,①通常の使用に伴う自然損耗は貸主さんの負担とし,②①を超えた損耗は借主さんの負担とすると考えられているんだ。この考え方からすると,2年間住んでいる間に自然と色あせたということなので,①通常の使用に伴う自然損耗と考えられ,借主であるサイド君が負担する必要はないと思うよ。
もし,契約書で,自然な色落ちの場合も含めて,借主が原状回復義務を負うこととされている場合はどうなんですか?
するどい質問だね。難しい問題だけど,消費者契約法という法律の10条で,信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものは無効とするという趣旨の規定が置かれているんだ。この規定に反して無効となる可能性が高いんじゃないかと思うよ。そうすると,そういう契約書の定めがあったとしても,自然な色落ちの場合には,借主の方で責任を負う必要はないということになるね。
微妙な案件もあるんだ。このため,国土交通省が「賃貸住宅の現状回復をめぐるトラブル事例とガイドライン」というガイドラインを定めているので,一度見てみるといいよ。